15日発表のINSEE修正値によると、フランスの9月のインフレ率は前年同月比で1.1%となった。9月末に発表した速報が0.1ポイント下方修正された。
9月には、エネルギー価格が前年同月比で3.3%の大幅低下を記録。前月には0.4%の上昇を記録していたが、これが大幅低下に転じたことで、全体の物価上昇率を大きく押し下げる要因になった。サービス料金の上昇も2.4%となり、前月の3.0%の上昇から値上がりの勢いが鈍った。工業製品は0.3%の低下、食料品は0.5%の上昇をそれぞれ記録し、価格の安定ぶりが目立っている。
9月の消費者物価は、前月比では1.2%の大幅な低下を記録(前月は0.5%の上昇)。これは1990年以来で最大の低下幅であるという。サービス料金が2.2%の低下を記録したのが大きく、これは、五輪終了に伴う宿泊費や運賃の低下に主に由来している。
欧州連合(EU)基準によるインフレ率は9月に1.4%となり、前月の2.2%をやはり大きく下回った。欧州中銀(ECB)の目標である2%台を大きく割り込んだことで、17日の定例理事会における利下げ決定への期待も強まっている。