仏Younited(フィンテック)が上場を決めた。SPAC(特別買収目的会社)のIris Financial(アムステルダム市場上場企業)に買収される形で上場が実現する。買収後にはパリ市場でも上場される。
Iris Financialは米リップルウッド(投資ファンド)が立ち上げたSPAC。Iris Financialは、Younitedが発行する新株を引き受け、1億5000万-2億ユーロを注入する。Iris FinancialはYounited Financialに社名を変更し、アムステルダムとパリで上場される。Younitedは子会社として経営の独立性を維持し、経営陣も残留する。
仏フィンテック部門ではこの2年ほど、ベンチャー企業の上場案件が途絶えていた。Younitedは2022年末に6000万ユーロを調達。新たな資金調達で様々な選択肢を検討していたが、SPACによる買収を通じた上場という解決策に落ち着いた。
Younitedは消費ローンなどのサービスを提供。金利上昇などが逆風となり、2023年の経常収益は1億1800万ユーロと、前年比25%の減収を記録。新規与信額は31%減の11億ユーロに後退、損失額は5070万ユーロ(前年は3340万ユーロ)に膨らんでいた。同社はこのため、損益均衡の実現目標を2025年へと先送りしていた。