仏大手銀行7行は9月30日、デジタルウォレットの新サービス「Wero」を共同で開始すると発表した。個人間送金サービスの「Paylib」を後継する形で、アプリ経由の送金サービスを開始。その後に、決済サービスの提供を開始する。
Weroは、コンソーシアムのEPI(欧州支払いイニシアティブ)を構成する独仏ベネルクス諸国の銀行が共同で導入。ドイツでは既に数週間前からサービスが始まっている。EPIは、共同の決済カードの導入を目的に結成されたコンソーシアムだが、デジタルサービスの共同開発へとスケールを小さくして存続が決まったという経緯があり、今回、その具体的な成果がフランスでも導入される。フランスの銀行は、携帯電話番号に紐づけられた個人間送金サービス「Paylib」を共同で運営しているが、これを新サービス「Wero」に譲る形で発展的に解消する(2025年3月までに終了予定)。欧州連合(EU)の規則にあわせて、Weroは2025年1月には全面的に即時送金のサービスとする。その後は、段階的にB2Cの決済手段を提供する足場とする予定で、2025年中に、QRコード決済により、決済端末を導入していない自営業者向けにサービスを開始、続いて2026年中には、店舗決済の手段としてサービスを開始する計画。米国系などが強い携帯決済に対抗し、より安価な料金でサービスを売り込む構え。