パリ市はこの夏より、市内の運河の清掃を目的とする新鋭装置の試験を行っている。気泡で水中にカーテンを作り、浮遊するゴミを1ヵ所に集めて回収する。結果は上々で、他の運河にも展開される可能性がある。
この装置は、運河の町として知られるオランダのアムステルダムで導入実績があるが、フランスではこれが初めてだという。パリ市は、市内の19区を流れるウルク運河に装置を試験的に導入。運河を斜めに横切る形でホースを水中に沈め、そこから圧縮空気により泡のカーテンを水中に作る。魚は行き来できるように、わずかな間隙が設けられる。廃棄物はこのカーテンで遮られ、岸に向けて浮遊して角に自然と集まってくるので、船を出して廃棄物を回収する。パリ市によると、毎日回収する必要があるほど廃棄物が溜まるのだそうで、泡のカーテンのトラップ効果はかなり高い。この装置の初期投資は8万ユーロで、現在はランニングコスト(電力)と効果を検証して費用対効果の把握を進めている。
この装置は、ウルク運河からラビレット水盤と呼ばれる船着き場に至る直前の場所に設置された。ラビレット水盤では、2017年より夏季に水浴所が開設されており、泡のカーテンは、水際で廃棄物を食い止める役割を果たしている。効果的な設置場所を選んで設置が広がる可能性がある。
KSM News and Research