パラリンピックが8日に閉幕し、五輪に始まったパリの「祭り」は終了した。事前には何かと悪評もあった五輪誘致だが、終わってみると国民の満足度はかなり高く、五輪関連のモニュメント等の常設化を求める声も上がっている。
パリ市のイダルゴ市長(社会党)は、五輪人気を自らの手柄とすることに熱心で、エッフェル塔前のイエナ橋など周辺の車両通行禁止(緊急車両とタクシー・バスの専用レーンは整備)を恒久化する方針を確認。歩行者天国化をほかの地区にも広げる考えを示している。また、エッフェル塔に設置された五輪シンボルについては、一時は恒久化を望むと発言し、その後、「4年後のロス五輪開催まで」の設置継続へと軌道を修正した。
観光名所と化したチュイルリー公園に設置の気球型の聖火台については、特に保存を求める声が高い。チュイルリー公園は国有であるため、その維持の是非はパリ市の権限外になるが、パリ市では、ラビレット科学都市(19区)への移設など腹案を温めているらしい。ラデファンス(パリ副都心)に置けば、今と同じく、凱旋門と同じ軸上に並んでよろしいとする意見もある。五輪開会式でセーヌ川上を走り抜けた金属製の馬(「ゼウス」)は、パリ市役所前の広場に設置されているが、こちらも人気が高い。とはいえ、記憶が風化する中で存在感を示して生き残ってゆけるとは限らない。
KSM News and Research