生活保護手当の一種であるRSAの支給条件の改正が、2025年年頭より全国で施行される。一部地区で行われている試験導入の結果は良好であるという。
RSAは元来、受給者への就業奨励を建前とする給付だったが、受給から抜け出せなくなる人が多いことが問題視されていた。マクロン政権は、完全雇用の実現という政策目標に沿った一連の措置の一つとして、RSAの支給条件を厳しくする改正を計画。政局混迷に伴い、今後に発足する内閣がどのような決定を下すかはわからなくなっているが、変更がなければ2025年年頭より全国的に施行されることになっている。
新制度においては、社会給付の窓口や失業保険管理機関、職業安定機関などの関連部署のすべてが就業支援の目標に向けて協力し、受給者に対しては、それぞれの需要や必要を見極めつつ、週15時間以上の活動(トレーニングなど含む)を義務付ける契約を結ばせることになる。2023年3月に17地区を対象に始まった試験導入においては、合計で4万人余りが対象になった。うち3分の2は高卒未満であるなど、就業が困難な状況にあったが、開始から6ヵ月後の時点で、42%が何らかの就業体験を持ち、また、恒常的な職(無期雇用契約又は6ヵ月を超える有期雇用契約)を得た人の割合も16%に上ったという。ただ、全国適用に伴い必要になる職員増強などの展望は、今後の予算法案の策定に委ねられる。
KSM News and Research