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マクロン大統領、首相指名に向けて協議を開始へ

大統領府は16日、マクロン大統領が議会の全勢力との協議を23日より開始すると予告した。協議は26日まで続けられ、その結果を踏まえて首相の指名がなされるという。正確な日程は示されておらず、首相指名にはさらに時間がかかる可能性もある。
マクロン大統領は現在、南仏ブリガンソン要塞で夏季休暇を過ごしているが、15日と17日には、第2次世界大戦関連の記念式典を南仏で挙行した。17日の式典では、先に閉幕した五輪も念頭に置きつつ、国民に団結を促す言葉を演説の中で口にしたが、この言葉は、過半数を確保できる勢力が見当たらない中で、従来の垣根を超えた協力関係の確立を通じた政局運営の実現を呼びかけたものとも考えられる。
とはいえ、下院において多数派を擁立する展望はみえない。マクロン大統領の狙いは、従来の与党勢力に加えて、右は共和党、左は社会党、また中道野党の院内会派LIOTから、内閣不信任案には協力しないという言質を取り付けて、政局運営を可能にすることにあるともみられるが、それがうまくゆく保証はない。その一方で、左派連合の主軸である「不服従のフランス(LFI)」を率いるメランション氏は18日付のラトリビューン日曜版に寄稿し、左派連合の首相候補カステ氏の指名を大統領が拒むなら、大統領弾劾の手続きを開始すると予告。2007年の改憲により追加された大統領弾劾の手続き(上下両院の3分の2を超える賛成など必要)が成功する可能性はごく低いが、メランション氏らはこの可能性を口にすることで、大統領に退陣を迫るという選択肢も含めて、圧力を強めることを狙っていると考えられる。
KSM News and Research