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エムポックス流行、フランスでも「最大限の警戒態勢」に

アフリカ大陸でエムポックスの感染が拡大している件で、毒性と感染力が高い1b株の感染が欧州で初めて確認された。スウェーデンで検出された。アタル首相はこれを受けて16日に、国内で最大限の警戒態勢に移行すると発表した。
エムポックスはサル痘とも呼ばれるウイルス感染症で、天然痘に似た発疹が発生することで知られる。体液を通じた感染(性感染など)が主で、新型コロナウイルスに比べると感染力は低いが、1b株では子どもの場合で死亡率が10%に達するとの報告もあり、この変異株においては危険度が高まっている。アフリカ大陸では今年に入り1万9000人の感染が報告されており、既に前年通年を上回っている。欧州やアジアでの感染確認を受けて、世界保健機関(WHO)も14日時点で国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態を宣言した。
アタル首相は、感染拡大の展望を踏まえて、国内でも警戒態勢を導入すると説明。渡航勧告や予防接種勧告を順次見直すと予告し、また、備蓄ワクチンを感染国に贈与し、世界的な感染拡大の抑止に協力すると説明した。国内では、医療関係者を通じて疑い例の把握を徹底し、確認の場合の濃厚接触者の特定などに当たる。対応については感染状況を見て随時見直す。フランスでは2022年以来、エムポックスへの対応準備が整っているといい、感染者には3週間の自主隔離などが勧告されるが、強制力は今のところない。ワクチンの備蓄は十分にあるとされ、米欧で認可を受けた唯一のワクチンを製造するデンマークのBavarian Nordic社も、50万回分の備蓄があり、2025年までに1000万回分の製造が可能だと発表している。医療関係者らは、仏国内で全国民を対象にしたワクチン接種をする必要はないと話している。
KSM News and Research