日刊紙ルフィガロは、五輪期間中にパリを離れた人々が臍を嚙んでいると報じた。厄介事に巻き込まれるのを避けるため休暇旅行に出たが、思いのほか盛り上がっているので悔しい思いをしているのだという。
パリ五輪においては、特に開会式の前後に立ち入り制限地区の設置がなされ、交通規制も多く敷かれた。このため、移動が困難になって通勤に支障が出るなど、不都合が多いとみて、期間中をあえて選んで休暇に出る人も多かった。ただ、蓋を開けてみると、観光客は意外に少なく、道路や公共交通機関もむしろ空いている。パリ市内は祝祭の雰囲気に包まれて、人々は何やら一体感を味わっているようで、少なくとも遠くから見ている限りではいい感じにみえる。高みの見物で「パリにいるやつざまぁ」を気取るつもりだった人は悔しい思いをしているらしい。「友達がみんな誕生日に呼ばれているのに、一人だけ寝ているみたいだ。『僕はあそこにいたんだ』と言えないのが悔しい」(27才のアダムさん)。故郷のリール市に逃れたポールさん(33)は、「みんながいうんだ。『いいところを見逃したぜ』って」と悔しがる。幸いにリール市ではハンドボールの準々決勝と準決勝が行われるので、入場券を買って観戦にゆくことにした。少しでも五輪の雰囲気を味わって、「僕はそこにいた」と言いたいらしい。そういう人は最初からパリに残らないとだな。
KSM News and Research