仏製薬大手サノフィは1日、各種インスリンの製造工場の立地選定で、ドイツのフランクフルト市に決定したことを明らかにした。既存工場を後継する新鋭工場を2029年までに開所する計画。投資額は13億ユーロに上る。このプロジェクトの誘致はフランス側も名乗りを上げていたが、ドイツがより手厚い支援を約束して誘致に成功したものとみられる。
報道によれば、フランス政府は、このプロジェクトに4億ユーロの補助金を約束していた。ドイツ連邦政府と地元のヘッセン州およびフランクフルト都市圏はさらに多額の補助金を提示した模様だが、最終決定は欧州連合(EU)からの国家補助への許可取得が条件になるという。
サノフィのフランクフルト工場は1923年の開所で、4000人が勤務している。新工場は3万6000平方メートル程度に上り、Lantusから次世代基礎インスリン製剤Toujeoまでの20種程度のインスリン製剤を製造する。80ヵ国に向けて出荷する。
ドイツはこのところ製薬工場の誘致に相次いで成功している。米イーライリリーは、肥満症治療薬として注目されるマンジャロの製造拠点をドイツに置くことを決定(投資額23億ユーロ)。第一三共も10億ユーロ規模の投資計画を去る2月に発表している。
KSM News and Research