30日発表のINSEE速報によると、フランスの経済成長率は4-6月期に前の期比で0.3%となった。ドイツでは同じ時期に0.1%のマイナス成長となっており、明暗が分かれた。
INSEEはまた、1-3月期までの経済成長率を上方修正した。1-3月期について0.3%(速報値を0.1ポイント引き上げ)、2023年10-12月期について0.4%(同0.1ポイント引き上げ)とした。2023年通年の経済成長率は1.1%で、2024年については、7-9月期以降がゼロ成長になったと仮定した場合で、通年成長率は1.0%と、政府の公式予測と同じ水準に達した。4-6月期には、輸入の伸びが0%(前の期比、以下同じ)となったのに対して、輸出が0.6%増を記録した。船舶や航空機など大型製品の引き渡しが貢献した。全体として外需は経済成長率を0.2ポイント押し上げる貢献をみせた。他方、内需は0.1ポイント分の貢献(在庫変動はゼロ貢献)となったが、個人消費支出は前の期並みにとどまり(前の期は0.1%減)、企業設備投資は0.1%増(前の期は0.4%減)、と、回復はしているものの本格的な拡大には程遠い。家計の固定資本形成(住宅投資)は0.5%減と後退が続いている。下半期にかけては、7-9月期には五輪効果で経済成長率が0.5%に達する見通しだが、10-12月期にはマイナス0.1%となり、減少に転じるものと予想されている。政局混迷の影響など不確定要素も多い。
KSM News and Research