鉄道の通信ケーブルを狙った破壊事件に続いて、29日未明には国内の数ヵ所で通信大手SFRの光通信ケーブルを狙った破壊事件が発生した。警察が捜査を開始した。
バックボーンと呼ばれる、事業者間などのネットワークの根幹を担う大容量回線が狙われた。全部で8県(ムーズ、エロー、オワーズ、ブーシュデュローヌ、ドローム、オード、セーヌエマルヌ、エソンヌ)の数ヵ所の回線で被害が生じた。被害の規模は大がかりな攻撃である割には大きくなく、SFRの1万人程度の顧客の固定サービスが不通となり、副次的に、他の事業者の固定・携帯サービスにも多少の影響が出た。復旧状況は被害地域により差があり、ドロームとオードの両県では、切断個所の特定に手間取り、30日朝の時点ではまだ復旧していない。
光回線ケーブルは金属ディスクカッターで切断されたものとみられている。バックボーンのケーブルの位置は公表されておらず、アクセスも困難であることから、事前に情報を収集して計画を立案しない限りは、これだけの規模で行うのは不可能と考えられる。警察は、鉄道を標的とした26日に発生の破壊行為と同等の容疑で捜査を開始。2つの事件は類縁性も多いが、関連があるのかどうかはまだわかっていない。極左系の過激派グループによる犯行の可能性があるが、当局は今のところ慎重な見方を示している。
KSM News and Research