フランス情報メディアのET TOI(エトワ)

フランスと日本をつなぐ

1€=

新規登録

デュラレックス、従業員組合組織による買収決まる

割れないガラスコップで知られるデュラレックス(Duralex)社が、従業員組合組織により買収されることが決まった。26日にオルレアン商事裁判所が決めた。
デュラレックスは、業界他社と同様に、エネルギー価格の高騰で大きな打撃を受けた。2022年11月には5ヵ月間の操業停止を決め、一時帰休制度などを通じて国から1500万ユーロの援助を受けた。ただ、その後の業績の回復は遅れ、去る4月末には会社更生法の適用を申請。3件の買収計画案が提出されたが、その中で、SCOPと呼ばれる新設の従業員組合組織による買収案が裁判所の承認を受けた。
これで、デュラレックスのロワレ県ラシャペルサンメスマン市にある工場の事業継続のめどが立った。同工場には従業員228人が勤務している。計画案では、オルレアン都市圏が工場の土地を500万-800万ユーロで取得し、従業員組合組織に貸与する形で支援。地元のサントル・バルドロワール地域圏は融資保証を与えて銀行融資が得やすくなるように支援する。ほかに100万ユーロを融資して事業継続を支える。従業員組合組織は組合員からの拠出も得て、生産施設を確保する。
SCOP設立による買収案件はこの10年ほどで、経営難の企業の事業継続の手段としてよく用いられるようになった。近く、プーランのチョコレート工場(ロワールエシェール県ビルバルー市)も同じ方法で買収される見通しとなっている。
KSM News and Research