シャンパーニュ・ワインが販売後退に伴い、生産調整を予定している。2024年のぶどう収穫量は、1ヘクタール当たりで1万kgに制限される。これは前年比で12%減、2022年比では16.5%減に相当する。
今年は雨が多く、シャンパーニュ地方でも病毒の被害が広がる恐れがある。それに加えて、需要の減退に対応して供給を抑えて、製品価格を維持することを目的に、生産量を調整する。
シャンパーニュの需要は2020年以降は出入りが大きい。2020年には新型コロナウイルス危機のために出荷が2億4500万本に後退。その翌年には反動で大きく増加し、2年間に渡り大きな需要を記録した。業者によっては供給が追い付かない状況も生じた。しかし、2023年には出荷量が2億9700万本と減少傾向を示し、今年に入ってからは後退幅が15%にまで拡大した。
地域別では、1-6月期の出荷が最大市場である米国向けで18%の減少を記録(前年同期比)。英国向けは3%減にとどまったが、仏国内向けの出荷は10%減を記録した。米国の場合は、先高感から販売業者が在庫の積み増しを進めてきたが、その反動が出た。実際に、価格は2年間で20%の上昇を記録している。シャンパーニュは値下げに消極的なことで知られるが、過去には1993年、2000年、そして2009年に値下げを決めた前例もあり、今回に値下げの決断を下すかどうかも注目される。
KSM News and Research