スーパーマーケットの買い物カートを製造するキャディ(Caddie)社の清算が決まった。サベルヌ地裁商事部が、会社更生のめどが立たないと判断し、即時の清算を決めた。従業員110人は失職する。
キャディはアルザス地方の企業で、針金製造のアトリエ・レユニ社(1928年創設)を前身とする。1957年に大型店舗向けの買い物カートのコンセプトを米国から移入し、「キャディ」の商標(1959年に出願)にて製造・販売した。高度成長期の大量消費時代のトレンドに乗り、郊外型の大型店舗の展開が広がるのと軌を一にして成長を遂げた。消費社会が曲がり角を迎えた1990年代から徐々に業績が傾き、2012年に初めて会社更生法の適用を受けた。その後、立て直しの試みが数度に渡りなされ、合計で1400万ユーロ程度の公的資金も投入されたが、いずれも失敗に終わり、4回目の会社更生法適用を経て、最終的に会社清算が決まった。今回は、現親会社のコシェ・グループと、その前の経営者ドデュー氏が買収の意思を表明したが、裁判所はいずれも不十分な内容とみて採用せず、幕引きを決めた。
KSM News and Research