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マクロン大統領、「共和国支持」勢力に結集促す

総選挙後の新政権樹立の展望が立たない中で、マクロン大統領は10日午後、地方紙を通じて、国民向けのメッセージを公表した。堅固な過半数を確保するために、共和国支持派のすべての勢力に協議するよう呼びかけた。

大統領はこの中で、有権者が極右の台頭を阻む選択をしたことを歓迎しつつ、どの勢力も単独では十分な勢力とはなりえない現実があると指摘し、共和国を支持する勢力にのみ過半数を確保するチャンスがあると説明。共和国の制度、法による支配、議会民主主義、国の独立性、欧州重視の方針のいずれについても擁護ができるすべての勢力に向けて、過去のいきさつを乗り越えて、共通の価値に基づいた協力の道を探るよう呼びかけた。そのためには時間がかかるだろうとも述べて、早期の決着を図る可能性を否定した。大統領はまた、選挙結果について、国民が変化を求め、また権限の集中を望まないことの表明であるだろうと述べて、自らも譲歩に応じる考えをにじませた。

大統領のメッセージからは、極右RNに加えて、左派連合の中核をなす左翼政党「不服従のフランス(LFI)」も外して、それらの中間に位置する勢力を幅広く結集しようとする意志がうかがわれる。左派連合の結束がどの程度であるのか、LFIから他党を引き離すことができるかが成功の鍵を握ることになる。右派の共和党に協力を仰ぎ、右寄りの結集を図るという方法もあり得るが、その場合には、マクロン大統領のルネサンス党の内部にある左右勢力の対立が激化し、空中分解を招く展開となることも考えられる。共和党の院内会派を率いることになる有力者のボキエ氏は、連立与党入りの可能性を繰り返し否定しているが、政策パッケージで合意してその遂行に協力する可能性については含みを残している。再編の行方がマクロン大統領の目論見通りに進むのか、今後が注目される。

KSM News and Research