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欧州の「アリアン6」ロケット、初打ち上げに成功

欧州宇宙機関(ESA)の依頼により開発された大型ロケット「アリアン6」の初打ち上げが9日に成功した。関係者は成功に安堵している。

アリアン6は、アリアン5を後継する大型ロケットだが、開発には4年の遅れが生じた。アリアン5は既に退役しており、提携先だったロシアのソユーズ・ロケットの事業を失った欧州にとって、小型ロケット「ヴェガ」が不具合のため運用休止(2022年末以来)となる中で、宇宙への自前のアクセスが途絶えるという状況が生じていた。アリアン6の成功により、宇宙へのアクセスを再び確保することができた。

アリアン6は初回打ち上げにおいて17体の宇宙機を搭載。それには、研究機関等による11基の超小型衛星や、大気圏再突入用のカプセル2基などが含まれる。衛星の軌道投入などのミッションにはいずれも成功した。ただし、新開発のVinciエンジンの3回着火機能により最上段を地上まで帰還させるミッションには失敗した模様。

アリアン6は今後、年内に新たな打ち上げ(軍事観測衛星を搭載)を予定する。次いで2025年には、欧州衛星測位システム「ガリレオ」向け衛星の軌道投入を皮切りとして6回、2026年には8回の打ち上げを予定する。

KSM News and Research