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ドイツ連立与党、2025年予算法案を巡り合意

ドイツ連立与党はこのほど、2025年予算法案を巡り基本合意に達した。厳しい協議を経てようやく合意が得られた。

連立与党の各党のうち、社民党(SPD)と緑の党は、景気刺激やエネルギー移行などのための財政支出を優先。対する自民党(FDP)は財政規律の順守を掲げて対立が目立っていた。困難な交渉を経て、5日にようやく基本合意がまとまった。

合意によると、2025年予算の規模は4810億ユーロで、インフラ向け公共投資、安全保障、経済振興の3項目が優先課題に設定された。うち、インフラ投資では、鉄道、高速道路、公共交通機関、デジタルなどの分野向けに、投資額を530億ユーロから570億ユーロへ引き上げる。安全保障では、北大西洋条約機構(NATO)への公約に沿って、国防費を対GDP比で2%へ引き上げる方針を確認。2028年時点で800億ユーロへ拡大することを決めた。国防軍特別基金を通じた財源確保を進めるが、2028年に同基金が尽きた後の展望は示されていない。法人及び個人を対象とする経済成長支援では、2025年と2026年に230億ユーロという金額を設定した。EV等購入時の減価償却の条件の改善、電力課税減税措置の延長などを盛り込んだ。支援策により経済成長率を0.5ポイント押し上げる効果が期待できるという。

財源面については、景気低迷に伴い、財政規律の適用基準が緩和されることから、2024年中では113億ユーロの赤字国債発行が可能になり、財政運営の助けとなる。資本取引を財政規律の埒外に置く規定を活用して、ドイツ鉄道(DB)や公的年金基金の増資引き受け(合計440億ユーロの債務増が可能に)も行う。

KSM News and Research