7日に行われる総選挙の決選投票に向けて、立候補の届け出が2日に締め切られた。全部で218選挙区において、極右RNの単独過半数獲得阻止を目的に、進出権のある候補が立候補を取り下げた。うち、130選挙区では左派連合の候補が、81選挙区では連立与党の候補が取り下げた。一方の極右RNは、協力先のシオティ派を含めて、全体で443選挙区で決選投票に進出。この数は前回2022年の総選挙時の208を大きく上回った。極右対抗の協力においては、候補者や政党の呼びかけとは別に、有権者がどのような反応を示すかは未知数で、効果がどの程度あるかは結果を見なければわからない。
第1回投票においては全体として、都市部では極右への抵抗が強く、逆に農山漁村では極右への支持が目立って拡大するという傾向がうかがわれた。これは従来の傾向とも一致しているが、農山漁村地方での極右の勢いは極めて大きくなっている。最近に極右への投票に転じた人も多い。どのような気持ちで極右に投票するのかを分析するのは容易ではないが、3日付のルパリジャン紙は、各地で極右支持の人々に意見を聞いている。強くうかがわれるのは、やはり強い政治不信と現状への不満で、現政権拒否の意思表示が極右への投票になって現れている。マクロン大統領の不人気が極右台頭に直結しているとも考えられる。現状に強い不満を抱き、極右への投票で何かが変わると期待しているらしく、「極右はまだ試していない」(共産党支持だったアニタさん76才)という言葉も聞かれる。RNが政府の攻撃に用いている論拠の中では、やはり治安懸念の効き目が大きく、特にイスラム教徒を敵と見定める言説には動員力があるようだ。「マクロン大統領は金持ちを喜ばせようとするばかりで、名もなき人々には関心を示さない」として、そうした疎外感に応えてくれる勢力としてRNを思いなす人も多いという。