ルフィガロ紙は12月16日付で、2022年の小学校教諭の採用試験の講評内容を報道した。国語試験における受験生の学力の低さが特に目立ったという。
国語試験においては、ビクトル・ユゴーの詩「ジョルジュとジャンヌ」が出題された。文法知識を問う設問と、内容に関する論述解答を求められる設問がなされたが、いずれも全体的な能力の低さを露呈する結果になったという。「chancelant(ぐらぐらする)」という単語の意味を問うたところ、さほど難しくない問題であるにもかかわらず、「幸運である」(chanceからの連想)など、見当外れの珍回答が目立った。文章から代名詞を選んで列挙する問題などでも成績が優れなかった。また、出題された詩のテーマである世代間の関係について例を挙げつつ論述を求める設問においては、いちばん多く上がったのが「カールじいさんの空飛ぶ家」であり、全般的な教養の欠如が浮き彫りとなった。論旨の展開の論理性も欠如し、語彙の不足も目立った。
教員試験は、出題は全国共通だが、採用は各学区で行われることになっており、学区ごとに格差を生じさせる恐れもある。なお、2022年からは採用試験の制度が改正され、国語と数学の知識・能力を問う試験の比重が高められることになっており、これまでよりも国語力を磨くことが受験生には求められることになる。