フランス情報メディアのET TOI(エトワ)

フランスと日本をつなぐ

1€=

新規登録

保守野党「共和党」のシオティ党首、極右RNとの協力を発表

繰り上げ総選挙に向けた動きで、保守野党「共和党」のシオティ党首は11日、極右RNとの協力を決めたと発表した。党首の発表に対して、党内の有力者は揃ってRNとの協力を否定し、党首に対して辞任を求める声が上がった。共和党の空中分解の危機に発展した。

シオティ党首は、党内で協議を経ずにこの発表を行った。民放テレビ局TF1とのインタビューの機会に、同党首は、マクロン大統領派と左翼勢力に国が脅かされる中で、現在の共和党にはこれらに対抗する十分な力がないとし、右翼の結集が必要だなどと述べてRNとの協力を正当化。共和党の候補がいる選挙区ではRNは候補者を立てないという形で協力すると述べた。

共和党の有力政治家らは揃って、シオティ党首の独断に過ぎず、党の方針では一切ないとして、RNとの協力を否定。シオティ党首に辞任を迫った。一方のRNのバルデラ党首は、シオティ党首の決断を歓迎し、実際に選挙協力は存在し、数十の選挙区が対象になる、などと述べたが、選挙協力に合流する議員の名前などは明かさなかった。シオティ党首への支持を口にする議員らは今のところほとんどない。

共和党が空中分解すれば、マクロン大統領派は、RNへの合流を拒否する共和党の勢力を取り込むことがより容易になる。それが大統領の狙いだとも考えられる。大統領は11日午後に記者会見を開く予定だったが、これを急遽、12日に延期しており、共和党の動きを折り込んで見解を発表することになるとみられる。

KSM News and Research