ネオバンクの独N26がこのほど、フランスで利息付きの銀行口座のサービス「エパルニュ・エクスプレス」を開始した。契約内容により2.26-4%の金利を適用する。
フランスでは、過去に普通口座に利息は付かないという規則が適用されていた関係で、現在でも利息が付く銀行口座のサービスはほとんどない。マイナス金利が解除されて久しく、金利があるのが当たり前の時代となり、ネオバンクが利息付き口座を売り物に競争を仕掛け始めた。Lydia Solutionが少し前に利息付き口座「Sumeria」のサービスを開始(最初の3ヵ月間に4%、その後は2%)。N26はこの後を追ってサービスを開始した。
N26は、1日ごとの残高で利息を計算し、月ごとに元本に算入する。サービス内容により異なる4つの契約について、最低で2.26%、最高で4%の利息を付与。月額無料のサービスで2.26%が適用され、4%の適用は、月額16.9ユーロの契約加入が条件となる。N26の場合は、資金洗浄対策の規定不順守を理由に、本国ドイツの当局機関から、新規顧客獲得数を制限する制裁措置の適用を受けていたが、これが最近に解除されたことで、利息を武器に集客力の向上を図る。
従来の銀行においても、このところ資金が利息のある定期預金へとシフトする動きが目立っている。中銀統計によると、去る3月時点で定期預金の残高は1710億ユーロとなり、2023年夏時点の1300億ユーロを大きく上回っている。