パリのシャンゼリゼ大通りの改修計画案が27日に発表された。150項目の提案を盛り込んだ。計画案は、シャンゼリゼ大通りに出店する企業などが作るシャンゼリゼ委員会が策定した。シャンゼリゼ大通りは世界的に有名だが、近年は客足が鈍っており、巻き返しを図るべく、今回の計画案が策定された。都市計画の専門家である建築家のフィリップ・キアンパレタ氏が策定に協力した。パリ市と国に対する提言という位置づけで計画案をまとめた。
計画案はまず、片側3車線の大通りを片側2車線に改め、2車線を自転車専用レーンとすることを提案。また、歩行者のためのスペースを13%増やし、さらに、緑地化を進めて、木陰で休憩できる場所や泉水などを整備、トイレも整備する。温暖化への耐性のある快適な空間を都市内に整備することを目指す。人工被覆化されていない地面を120%増やし、160本の植樹なども行う。コンコルド広場に近い方のシャンゼリゼ周辺の20ヘクタールの緑地は本格的な庭園に改め、子どもの遊技場やスポーツ施設などを整備。大衆的な人気を得られる地区に再整備する。コンコルド広場は、イベント開催の会場としての機能を果たせるような形で、シャンゼリゼの改修計画に組み入れる。
150項目の提言をすべて実行するには、2億5000万ユーロの投資が必要になる見込み。財源の確保は今後の課題となる。パリ市や国が計画案をどの程度受け入れるかも未知数。