ボートラン労相は22日、失業保険制度改正に関して労使代表との個別協議を開始した。意見聴取を経て、改正案がアタル首相により26日に発表される。
個別協議で提示された政府原案によると、政府はこの改正で、通年にて36億ユーロの節減を見込んでいる。就業促進効果により9万人の就業者増加も見込む。
具体的には、失業手当の受給資格を得る条件が厳しくなり、現行の「直近24ヵ月中で6ヵ月以上の就労実績」が、「直近20ヵ月中で8ヵ月以上の就労実績」に改められる。この厳格化は25才未満の層で特に影響が大きいと考えられる。
高齢層については、以前の報酬よりも低い報酬での就労を受け入れる失業者向けの収入補填措置を導入。この措置にかかる費用は失業保険会計(UNEDIC)が負担する。半面、高齢層の失業者に年金満額受給までの期間の失業手当の支給を継続する制度については、「社会保障上限の57%」(現金給与総額ベースで月額2202ユーロに相当)が支給額の限度となる。高齢層の失業手当支給期間(通常よりも長く設定されている)も絞り込まれ、57才以上にならないと適用されなくなる(それより年齢が低い場合は通常の18ヵ月間)。この年齢下限の引き上げでは年間2億7000万ユーロ以上の節減が見込まれるという。
このほか、失業者の起業等援助も減額の対象となる。景気拡大期には失業手当の条件を厳しくするとの措置も増強される。短期雇用契約等の利用が多い企業に対する保険料割り増し制度についてはまだ裁定がなされていないという。