マクロン大統領は21日、人工知能(AI)分野の関係者を集めた会合を開いた機会に、同分野への資金供給を目的としてファンドオブファンズを設立すると予告した。大規模言語モデル、AI向けプロセッサ、クラウドの開発等を対象に資金を供給する。大統領は、独仏共同のファンドにしたいと言明、できれば欧州レベルのファンドにする意欲を示した。ガバナンスや資金総額については明らかにしなかったが、仏政府が少なくとも4分の1を拠出するとの考えを示した。大統領はこのほか、AI関係の国内のクラスター9ヵ所向けに、合計で4億ユーロを投資すると予告。AI関連の技能者の養成を年間10万人と、現在の2倍に増やすことを目指すとした。AI向けGPUの欧州連合(EU)域内生産が占める割合を3%から20%に引き上げるとの目標も確認した。
仏政府はこれまで、「Tibi2」ファンドを通じて、ディープテック分野のアーリーステージ及びグロースステージの企業に合計で70億ユーロの投資を実現した。また、2022年に設立の欧州レベルのファンドオブファンズ「ICTE」は、テクノロジー分野の欧州大手の育成を目的に、10億ユーロの投資実現を目指している。