EYが毎年作成するフランス投資誘致力調査の結果が2日に発表された。フランスは欧州における直接投資誘致でトップの地位を保った。
対仏直接投資の案件数(投資決定数)は2023年に1194件となり、前年比で5%減少した。対象雇用数は3980人となり、こちらは前年の3810人から増加した。欧州全体では前年比4%減の5700件に後退。景気の停滞と戦争の影響が出たが、フランスはそれでも、2位の英国(6%増の985件)、3位のドイツ(12%減の733件)を抑えて首位の地位を守った。
フランスでは、全体の44%に相当する530件が工業部門の生産施設への投資だった。雇用数250人超の投資案件数では英国と並んでおり、雇用面での恩恵はより大きくなった。人工知能(AI)関連の投資案件(主に研究開発拠点)も17件を数えて、欧州諸国中で最も多かった。
外国企業の経営者を対象にしたアンケートでも、全体の75%程度の経営者が、向こう3年間でフランスの投資誘致力は改善すると思う、と回答しており、フランスの評価は後退していない。フランスの利点としては、労働力の質、インフラの信頼性、国内市場の活力が挙げられている。