会計検査院は4月23日、パリのポンピドゥー・センターに関する報告書を公表した。脆弱な経済モデル、ガバナンス強化の必要性、旧式な人事管理など、いずれの面でも改善を求める厳しい内容となった。
ポンピドゥー・センターは、大規模な改修工事のため2025年から少なくとも5年間閉鎖する一方、パリ首都圏のマシー市(エソンヌ県)に工事期間中の収蔵品保管と特別展開催を目的とする別館を建設し、2026年の開館を予定している。
現センターの改修工事費3億5800万ユーロは国が負担する。しかし、自力調達が必要な「ポンピドゥー・センター2030」計画予算1億6900万ユーロやマシー別館関連費2億5400万ユーロの確保は、時間的にも厳しい状況だ。
報告書は2013-2022年が対象で、2015年の同時多発テロや新型コロナ禍での閉館・行動制限などが発生した特殊な期間ではあったが、来館者数の減少は容認できないとした。報告書は、ポンピドゥー・センターが近現代美術品の優れた収蔵品と「ポンピドゥー」ブランドを生かして40万人以上の入場を見込める特別展を計画することと、外国人の集客に注力することを提言している。