フランスの外国人留学生受入れ数は増え続けているものの、伸びが鈍化している。Campus France(フランス留学斡旋機関)の調べによると、フランスの高等教育機関が2022年度(フランスの学年度は秋に開始)に受け入れた外国人留学生数は41万2000人で、前年度比1万2000人増(3%増)を記録した。前年度には8%増を記録していたが、これはコロナ危機で留学が途絶えた後の一時的な急増と考えられる。2017年度から2022年度にかけての外国人留学生の増加率は17%で(6万人増)、これは同期のドイツ(54%増)やカナダ(65%増)と比べて見劣りする。
外国人留学生受入れ数の国別ランキングで、フランスは2016年には4位だったが、2021年には6位に後退しており、僅差で迫る7位の中国に近い内に抜かれる可能性も強い。2017年度から2022年度にかけては主に大陸欧州やサハラ以南アフリカからの留学が伸びを牽引した。逆にアジアからの留学は頭打ちで、これはコロナ危機を経て留学生の流れに変化が生じたことも一因とみられている。
マクロン大統領は2027年度までに年間50万人の外国人留学生受入れを達成することを目標に掲げており、アジアからの留学生誘致の加速が課題となる。フランスは特にインドからの留学生受入れに注力している。
なお、人気のある留学先のうち、オーストラリア、カナダ、オランダ、英国などは、最近ではむしろ外国人留学生受入れを制限する方針に転換している。