下院は28日、毛髪差別を禁止する議員立法法案を採択した。法案は中道野党議員団LIOTが提出。左派政党が賛成し、マクロン政権も基本的に支持した。この法案は、企業が、毛髪のあるなし、色や形状に基づいて差別的待遇を導入することを明示的に禁止。特に、アフロヘアの女性がストレートパーマをかけることを強要されたり、採用面接時に敬遠されるような状況をなくすことを目的に法案は準備された。政府は、現行の労働法典の下でも、そうした差別は禁止されていることを挙げて、法案の意図は支持するが、必要性があるかは疑問だとする見解を示した。法案を準備した海外県選出のセルバ議員は、アフロヘアのほかに、偏見の対象となっている赤毛や、禿頭の男性(ちなみにセルバ議員本人も禿頭)の例などを挙げて、毛髪差別の裾野は広く、法律で明示的に禁止すれば、被害者の側が権利を明確に主張しやすくなると説明した。
法案は今後、上院で審議されるが、上院で多数派を握る保守勢力は、コミュニティ中心主義的な行き過ぎを招く恐れがあるとして法案に批判的で、上院審議の行方は定かではない。