フランス中銀は12日、2024年の仏経済成長率予測を0.8%に下方修正した。従来の予測を0.1ポイント引き下げた。なお、仏政府は同年の経済成長率予測を1.4%としていたが、これを先月に1%まで引き下げている。中銀のビルロワドガロー総裁は、政府公式予測との差について、誤差範囲内のわずかなものだと説明。景気後退に陥ることなく、インフレ抑制が実現するとの展望を示した。経済成長率は、2025年には1.5%、2026年には1.7%まで上昇するとも予測。こちらは、従来予測(1.3%と1.6%)を上方修正した。インフレ率については、2023年の5.7%(通年平均)に対して、2024年には2.5%と半分以下に低下する。続いて2025年と2026年にはそれぞれ1.7%まで低下する。この両年には、食料品と工業製品の価格上昇幅が抑制され、エネルギー価格は低下を記録すると予想した。
インフレ抑制の展望が鮮明になったことで、利下げへの期待も高まっている。欧州中銀(ECB)は先の理事会で金利据え置きを決めたが、ラガルド総裁は、「4月になれば少し、また、6月になればさらに一層」、把握される経済状況が明確になる、と言明し、間接的な表現ながら、利下げに転じるタイミングについて言及していた。仏中銀のビルロワドガロー総裁は、今春に利下げに転じるのが「かなり確からしい」としているが、「春」とは、4月から6月21日までの期間のことだ、とも付け加えている。