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イスラム教の断食月、3月11日に開始

イスラム教の断食月であるラマダンが3月11日に始まった。10日に正式発表された。4月9日頃に終了する見通し。

ラマダンは陰暦を用いるため毎年少しずつ開始が早まることになる。開始時期は国ごとに、宗教関係者らが月などの観測を行い決定する。終了日も直前に観測結果を踏まえて決定される。フランス国内のイスラム教徒の数は500万人程度とされており、戒律によると、日の出から日没までの飲食が禁止される。

ルモンド紙によると、ラマダンの断食は若い世代ほど熱心に取り組む傾向がある。子どもは12-15才から開始することになっているが、それよりも早く始める子どもも少なくない。正式な調査はないが、25才未満の層で最も遵守率が高く、年齢層が高くなるにつれて遵守率は低くなる傾向があるという。グループへの帰属意識と、グループ内で卓越した者になりたいという功名心や競争心から、遵守に特に熱心になると考えられる。世代的な違いが作用している可能性もある。移民第1世代においては、フランス社会への帰属を示す意味もあり、自己主張が控え目だが、第2世代以降は、自身をフランス社会の一員であるのが大前提で、その上で自己主張の手段としてラマダンを捉え、熱心に遵守するのだという。この時期にコーランを読むなど、精神性の探求を志向する者も多い。

KSM News and Research