パリ商事裁判所は26日、民事再生の手続き下にある食品小売大手カジノの再建策を承認した。チェコの実業家クレティンスキー氏による経営権掌握に道が開かれた。
カジノは78億8000万ユーロの純負債を抱えて経営が行き詰まった。紆余曲折の末に、クレティンスキー氏が仏実業家のラドレドラシャリエール氏と結んでカジノを買収する再建案が浮上し、それが裁判所の承認を得た。カジノはこの決定に先立ち、中型・大型店舗網の大部分(288店舗)を同業オーシャン及びアンテルマルシェに売却。新生カジノは、都市部に展開する小型店舗(モノプリ、フランプリ、オーガニック食品販売のナチュラリアなど)を中心とした小売グループに生まれ変わる。今後、合計48億ユーロ相当の債務の株式への書き換えと、2度にわたる総額12億ユーロ以上の増資を経て、クレティンスキー氏らが経営権を掌握する。任命済みのフィリップ・パラジCEOの下で4月より新戦略の遂行が着手される。2024年のEBITDA目標は1億2400万ユーロで、2028年にはこれを9億2000万ユーロに引き上げることを目指す。