6月9日に投票日を迎える欧州議会選挙で、マクロン大統領のルネサンス党は、自党の筆頭候補として、バレリー・アイエール欧州議員(女性)を擁立する方針を固めた。マクロン大統領が決断した。近く正式に発表される。
アイエール氏は37才。かつては中道政党UDIに所属し、地元のマイエンヌ県で副議長を務めた後、2019年にマクロン大統領派として欧州議員に当選した。ルネサンス党が所属する自由主義派の「欧州刷新」の議員団団長職に、先頃アタル内閣に外相として入閣したセジュルネ氏の後任として就任したばかりだった。
マクロン大統領は、ルドリアン元外相に筆頭候補就任を打診したものの断られたといい、一般の知名度は低いが、アイエール氏の人選に落ち着いたという。同氏は農家の出身で、農民の抗議行動に揺れる状況の中で、支持挽回を狙える人材という期待も込められている。若い世代に属する女性である点もアピール材料になる。
欧州議会選挙は各国ごとに異なる選挙で行われ、投票日も多少異なる。フランスでは、全国を一つの選挙区として、各党の候補者リストに投票する完全比例代表制にて争われる。得票率5%以上のリストに全81議席が配分される。世論調査では、極右RNが27%の得票率でトップとなっており、ルネサンス(19%)に大きな差をつけている。RNは2019年の前回選挙でも第一党だった。以下、社会党(10%)、環境派EELV(8%)、保守「共和党」(8%)、極右「ルコンケット」(8%)、左翼政党「不服従のフランス(LFI)」(7%)が続いている。