パリ市は4日、SUVの駐車料金引き上げの是非を問う住民投票を実施した。賛成が多数派を占めた。
パリ市のイダルゴ左派政権がこの住民投票を企画した。「大重量、大容量で汚染度が高い乗用車の駐車に特定の料金体系を導入する」ことに賛成か否かを尋ねた。同日夜に発表の開票結果によると、54.55%の人が賛成と回答し、賛成が過半数を占めた。パリ市内に居住する有権者(130万人)が投票権を有するが、投票したのは7万8000人で、投票率は5%余りに過ぎなかった。パリ市は4月にも、電動キックスケーターのシェアリングサービスの継続の是非を問う住民投票を実施したが、この際の投票者数は10万人を超えており、それよりもさらに関心が低かった。
イダルゴ市長はこの住民投票の結果を後ろ盾として、5月に駐車料金改定案を市議会に提出する。エンジン車について1.6トン超、電動車両についても2トン超の自家用車を対象に、駐車料金割り増しを適用する。1-11区では1時間18ユーロ、12-20区では同12ユーロとなり、6時間の料金では、前者が225ユーロ、後者が150ユーロと、通常の駐車料金(75ユーロと50ユーロ)に比べて3倍の割り増しになる。居住者が自宅付近に駐車する場合にはこの料金は「当面の間」適用されない。パリ市の試算によれば、この改定により3500万ユーロ程度の追加収入が見込める。
パリ市の野党勢力は、住民投票には何の正統性もないと批判。ドライバー団体は、料金改定がなされるなら提訴すると予告している。