欧州中央銀行(ECB)は25日に定例理事会を開き、政策金利の据え置きを決めた。下限金利(中銀預金金利)を4%、上限金利を4.75%、リファイナンス金利を4.5%に据え置いた。
欧州中銀は10月以来、これで3回連続にて金利を据え置いた。それまでは、インフレ抑制を目的に2022年7月以来10回連続で利上げを行ったが、インフレ率減速の展望が立ったことを理由に金利を維持している。市場は今回の据え置きを折り込み済みで、今後の利下げのタイミングが最大の関心事となっている。
欧州中銀のラガルド総裁は、理事会後の記者会見において、現行の金利水準を十分に長く維持すれば、インフレ率目標(2%)の達成に大きく貢献するものと理事会は判断している、と言明。総裁はその一方で、「利下げについて議論するのは時期尚早」との判断で理事会内にコンセンサスがある、とも付け加えた。総裁はその上で、経済指標を極めて注意深く観察し、データに依存した政策運営を続けると説明した。
ラガルド総裁は数日前に、夏までに理事会の過半数が利下げに賛成する可能性があるかと問われ、「それもまた可能だと思う」と言明。初めて利下げのタイミングに言及する発言をしていた。市場では、6月から利下げが始まるという期待があり、中には3月からの利下げを予想する向きもある。