16日にINSEEが発表した人口統計によると、フランスの人口は2024年年頭に6840万人となった。1年前から0.3%増加した。
出生数は67万8000人となり、前年から4万8000人減少した。戦後(1946年以来)で初めて70万人台を割り込んだ。最近の出生数のピークだった2010年と比べると15万人減で、2割近くの減少となった。
他方、死亡数は63万1000人となった。前年を4万4000人下回り、率にして6.5%減少した。新型コロナウイルス危機前の水準と比べるとまだ高めだが、顕著な改善がみられた。平均余命は男性が初めて80才に到達。女性は85.7才まで伸びた。75才以上の層が全人口に占める割合は10%を越えて、社会の高齢化が一段と進んだ。
人口の自然増減は4万7000人の純増となった。移民の流出入は暫定値で18万3000人の流入超となり、この幅は前年の16万1000人を上回った。
合計特殊出生率(1人の女性が生涯に出産する数で示す)は1.68となり、前年の1.8を下回った。1993年以来で最も低い水準まで下がった。出産が最も多いのは30-34才となっており、出産年齢の高齢化が進んだ。インフレ亢進や社会不安も出生率の低下に影を落としているものと考えられる。