1月5日付の仏経済紙レゼコーは、フィンランド・オウル大学にある研究所「6G Flagship」を紹介した。同研究所では、54か国出身500人の研究者が2018年以来6G開発に向けた研究を行っている。同プロジェクトの予算は2018-2026年にかけて2億5100万ユーロ。フィンランド通信大手ノキアなども参加する。
6Gは、2030年代初頭の使用開始が目指されている。その具体的な内容は現在のところ明確ではないが、5Gに比べて▽10倍高速(10Gbps)、▽反応時間が10分の1に短縮(レイテンシーは0.1ミリ秒)、▽より多くの物体を接続できる、といった利点を持つほか、データだけでなく、3Dマップ、デジタルツイン、ホログラムなどの通信も可能になることが見込まれている。娯楽のほか、遠隔医療における活用も期待される。同プロジェクトに参加する研究所VTTの研究者は、「6Gでは、スマホではなくVRヘッドセットが主流の媒体になるかもしれない」と指摘。その場合、VRヘッドセットが現在に比べ小型になり、ワイヤレスとなる可能性もあると述べている。
6Gの開発を巡っては、米国や中国も研究を進めている。