フランス中銀下に設置されたHCSF(金融安定高等評議会)は4日に会合を開き、住宅ローンの与信規制の緩和を決定した。金利上昇に伴い、家計の住宅購入が冷え込んでいることの対策として、一連の規制緩和を決めた。2週間以内に施行される見通し。
緩和は3点からなる。まず、大規模なリノベーションを伴う場合のローン償還期限上限の引き上げ(25年から27年へ)についての制約を緩和。従来は、与信額の25%以上がリノベーション工事費である必要があったが、この上限が10%へ引き下げられる。また、本宅を売却して新居を購入する場合のつなぎ融資については、住宅ローン返済比率上限(35%)に含めないようにすることを決めた(つなぎ融資が与信額全体の80%を上回らないことが条件)。最後に、銀行側には、与信全体の20%までを、特例融資(償還期限25年、返済比率35%という上限を超える融資)とすることが認められているが、この規則の適用を緩和し、3ヵ月間の実績ではなく、9ヵ月間の実績で、20%までという上限を評価することを決めた。
不動産業者などはこの規制緩和について、およそ不十分な措置であり、住宅購入を後押しするものにはなりえないと不満を表明している。HCSFの側では、上記の20%ルールの活用が不十分で、銀行は14%までしか特例融資を認めていないと指摘し、まだ与信拡大の余地は大きいと説明している。