食品メーカーと小売業者の間の年次価格交渉が近く開始される。小売価格の低下は期待薄の展開となっている。
メーカーと小売業者の間では、毎年、仕入れ価格に関する交渉が行われる。今年は、政府が早期の値下げ実現を目的に、立法措置を通じて交渉日程を前倒しにした。中小のメーカーの場合は11月21日まで、仏国内の年商が3億5000万ユーロ超の大企業の場合には12月5日までに、小売業者に対して金額を提示し、交渉に入ることになる。前者については2024年1月15日まで、後者については同1月31日までに交渉をまとめなければならない。
政府の思惑とは別に、食品価格の値下がりは実現しそうにない。交渉筋によると、30%の値下げを求める小売業者もあるというが、対する食品メーカーの業界団体ANIAは、2024年には全体で食品価格は2-4%上昇するとの展望を示し、値下げには応じない構えを見せている。
そうした中で、消費者団体(フードウォッチ、ファミーユリュラル、UFCクショワジール、CLCV)は29日、マクロン大統領に宛てた公開書簡を公表。食品メーカーと小売業者の両方が不当な利益を値上げにより取得しているとし、マージンの透明性を確保すると共に、過剰な利益を抑止する措置を講じるよう呼びかけた。