高齢者施設運営大手の仏クラリアーヌ(旧コリアン)は14日、支払停止を回避する目的で15億ユーロの資金調達を行うと発表した。現状では2024年4月末に資金繰りが行き詰まる恐れがあると説明した。
計画ではまず、主要出資者であるクレディアグリコル保険(CAA)との間で、19ヵ所の施設の不動産資産に係り1億4000万ユーロの支援を得る。英国の資産についても9000万ユーロの支援を得る。2024年に入ってから総額10億ユーロ程度の資産売却に着手し、進出先(現在は7ヵ国)の整理を進める。また、3億ユーロの増資を実施する。24.75%株式を保有するCAAは2億ユーロまでの増資引き受けを保証。増資引き受けが振るわなかった場合には、クラリアーヌはCAAの傘下に入ることになるが、CAAは、救済が目的の措置であり、恒久的に子会社とする考えはないと説明している。
高齢者施設の運営業は、大手オルペアの入居者虐待事件をきっかけとして困難に直面している。クラリアーヌは2023年から2024年にかけて16億ユーロの債務の返済期限を迎えるが、金利上昇など逆風もあり、借り換えを行うのが難しくなっている。業界逆風の発端となったオルペアも、債務の組換えの一環で39億ユーロの増資を行うと発表したばかりだった。