パリの老舗百貨店BHV(バザール・ド・ロテルドビル)の所有権移転が決まった。百貨店大手ギャラリー・ラファイエットが、商業不動産開発のSGM(ソシエテ・デ・グランマガザン)に売却した。売却額は公表されていない。
BHVのマレ地区にある本店と、ベルサイユ近郊のショッピングセンター「パルリ2」内の店舗が売却の対象となった。BHVは1856年創業と、百貨店の中では最古の部類に入る。DIY用品の豊富な品揃えには定評があったが、近年は業績が振るわず、コロナ危機に加えて、店舗が隣接するリボリ通りの交通規制の変更も、客足が遠のく要因になった
買収を決めたSGMは2018年に若手実業家のメルラン氏が設立。2021年にも、ギャラリー・ラファイエットから、地方の7店舗(アンジェ、ディジョン、グルノーブル、ルマン、リモージュ、オルレアン、ランス)を買収。失速する中心街の商業不動産の活性化を専門としており、地方都市のショッピングセンターも10ヵ所程度傘下に収めている。今回買収のBHVは従業員数が1300人程度。労組側は雇用維持を重視しており、新たな経営者の出方を窺っている。