APEC(管理職雇用協会)が9日に発表した集計によると、管理職求人数は7-9月期に12万3200人となり、前年同期比で13%の減少を記録した。ただし、新型コロナウイルス危機前の2019年同期の11万8000人をまだ上回っている。
管理職求人は、新型コロナウイルス危機が生じた2020年7-9月期には8万2300人と大きく後退していたが、2021年同期には危機前の水準を上回る12万7700人に回復。2022年同期には14万1700人と記録を更新していた。それが今年にはかなり下火になった。特に、10月に限ると、前年同月比で16%減と、後退が加速する傾向がうかがわれる。また、向こう3ヵ月間に管理職の採用を計画していると回答した企業の割合は10%となり、6月末時点の12%から後退した。管理職採用数は2022年通年では30万8000人(無期契約又は1年超の有期契約)に上っていたが、今年は記録更新は困難な情勢となった。
国内の管理職数は390万-440万人と推定され、全雇用に占める割合は2020年に19%と、15年間で5ポイント拡大している。管理職の失業率は今年に3.5%まで低下する見通し(2022年には4.1%)で、管理職の雇用市場は全体としては良好な水準を保っている。求人難の傾向もあり、管理職の転職のリスクを懸念すると答えた企業は、大企業では57%に上っており、有能な人材の確保が課題として浮上している。