ボルヌ首相は27日、都市省間委員会(CIV)の会合を開いた。郊外地区の活性化プランを公表した。
首相はこの前日に暴動対策プランを公表していた。治安面を重視した対策が網羅されていたが、郊外の問題地区の振興策は、それを補完し、事件の発生の予防に重点を置いた内容になっている。まず、問題地区に貧困者の居住を斡旋しないようにする権限が各県の県庁に付与される。問題地区内にホームレスの収容施設等を設置することも禁止可能になる。特定の地区に特定の住民が集まらないようにする工夫を都市計画に組み入れる。
教育面では、問題地区における中学校の開校時間帯を8時から18時までとすることが提案された。重点地区に指定された500地区においては、図書館の開館時間も延長される。教育重点地区が問題地区に正しく重なるように区割りの見直しを進めて、重点地区内の教育を強化。2歳児からの受け入れ定員数も増強する。
問題地区における起業支援には4年間で4億5600万ユーロの予算を設定する。また、居住地による就職等の差別の対策として、年間500社を対象に覆面調査を実施して、差別廃絶の徹底を図る。雇用から遠ざかった層の就職支援を目的に、支援団体向けに3年間で3億ユーロの援助を行うことも決めた。気候変動対策では、気候変動に対する強靭性を強化するための予算を、年間1億ユーロから2億5000万ユーロに増額することを決めた。グリーン基金(20億ユーロ)の支出先の15%を問題地区向けにする(従来の2倍)ことも決めた。