欧州中銀(ECB)は26日に開いた定例理事会で、政策金利の据え置きを決めた。下限金利は4%、上限金利は4.75%、リファイナンス金利は4.5%にそれぞれ据え置かれた。
欧州中銀は今回、本部のある独フランクフルトではなく、ギリシャのアテネで特別に理事会を開いた。欧州中銀は2022年7月に利上げを開始。去る9月の前回理事会まで10回連続で利上げを決めてきたが、ここへ来て利上げを小休止した。
前回の理事会以来で、打ち止めを示唆する関係者らの発言が重なっており、金利据え置きは予想されていた。欧州中銀は、9月のユーロ圏インフレ率が4.3%と2年来で最低の水準まで下がったことを指摘。ユーロ圏の経済成長がぐずつき気味であることや、長期金利の上昇により加盟国の債務管理がより厳しい状況を迎えていることにも配慮して金利据え置きを決めたものとみられる。
ただし、欧州中銀は、インフレ率はまだあまりに長い間、高すぎる水準にとどまる見通しであるとも指摘。2%という欧州中銀の目標にまで減速するには時間がかかるとの見方を示した。これは、当面の間は利下げはないことを示唆している。欧州中銀のラガルド総裁は26日、「金利は十分に高い水準にあると判断しており、インフレ率の目標達成のためにこの水準にとどめる必要があると考えている」と言明。どの程度の期間据え置かれるかについて、専門家の見方は分かれており、少なくとも2024年半ばまでとする見方や、2025年初頭までは続くとする見方などが出されている。ラガルド総裁はさらに、「利下げの議論をするのは現状では時期尚早」とした上で、「本日に金利を据え置いたからといって、今後にはもう利上げをしないということにはならない」とも付け加えている。