日刊紙ルフィガロは24日付で、いくつかの金融詐欺の手口を紹介する記事を掲載した。
このところ被害が増えているのが、身元詐称による詐欺事件で、これは、実在の人物の個人情報を詐取して、銀行融資を受けて踏み倒すなどするという流れになる。本人確認書類などを盗難したり、詐取するなどして入手し、その名前で銀行口座を開いたり、購入契約を結ぶなどして金品を詐取する。被害を受けている本人が気づきにくいのが特徴で、例えば銀行口座を開こうとしたら拒否され、理由を調べたら偽物の存在が判明したという場合も多いという。中銀が管理する信用情報のブラックリストに掲載されると5年間は融資を受けることなどができなくなり、詐称者の存在を立証できないと登録の取り消しも認められないことから、被害の状態が長く続く場合も多い。
スプーフィング(番号偽装)を用いて、銀行担当者を装って電話をかけ、決済を実行するよう説得するという手口の詐欺も以前から続いている。また、「ラバ」と呼ばれている詐欺では、簡単に稼げる方法として、小切手入金の窓口となる名義貸しの人物を募集し、盗難小切手を入金させて、1割引で送金させるという段取りになる。捜査当局の追及が及ばないようにする工夫であり、「ラバ」になった人は、刑事責任を追及され、また、盗難小切手による入金分も没収されるので、二重に損をする格好になる。