仏自動車ブランド「シトロエン」(ステランティス傘下)は17日、小型フルEVの新モデル「e-C3」を公表した。2024年春に引き渡しを開始する。2万3300ユーロからという手頃な価格を設定した。
フルEVが本格的な普及期を迎える中で、中国の競合に打ち勝つためには、低価格の大衆的なモデルの投入が不可欠になっている。シトロエンは仏市場で競合するルノーや独フォルクスワーゲンなどに先行して今回の発表に踏み切った。仏市場では、ダチア(ルノー・グループ)のスプリングが2万800ユーロという手頃な価格で既に成功を収めているが、これは中国で組み立てのモデルであり、2024年年頭にエコカー奨励金制度(1台5000ユーロ、低所得者の場合は7000ユーロ)が見直され、上流段階での炭素負荷が大きいモデルが除外されれば、スプリングも除外対象となる可能性が高い。これに対してe-C3は、バッテリーは中国製だが、組み立てはスロバキア工場で行い、上流の炭素負荷を抑える工夫をする。生産性が高いスロバキア工場での組み立てにより低価格も実現する。航続距離は320kmを達成(スプリングは230km)。シトロエンはさらに、2025年初頭からは1万9900ユーロからというより低価格のバージョンも発売。こちらは航続距離を200kmに抑えてさらに安値を実現する。