仏政府は、断熱リフォーム向け援助金制度「MaPrimeRenov’」の制度改正を2024年年頭より施行する。低所得層向けの援助を強化し、利用促進を図る。
政府は同制度の年間予算を16億ユーロ増額し、50億ユーロに引き上げる。制度改正ではまず、援助の費用対効果を最大化する目的で、1項目のみのリフォームは原則的に援助対象から外すことを決定。唯一、既に一定のエネルギー効率を達成している一戸建て住宅(評価診断DPEでF又はGには入らないもの)について、脱炭素型暖房の導入に限り、支給対象とする。支給額は1000ユーロから2000ユーロに増額される。それ以外では、複数項目のリフォームのみを対象とし、支援を強化する。低所得層の利用の場合の上限は、現行の3万5000ユーロから7万ユーロ(DPEで4段階向上の場合)へと2倍に引き上げられる。工事費に占める援助金の割合も80%まで引き上げられる(DPEでDまで改善される場合には90%)。冷房の導入など夏季を過ごしやすくする項目を追加することも一定の条件下で認める。申請・審査の手続きも簡素化される。
建物のエネルギー効率の低さに由来する温室効果ガスの排出量は、国内全体の18%を占めており、政府はその対策を重要課題に設定している。支援措置の強化で、2024年には20万件(2022年には6万7000件)の断熱リフォーム(複数項目)の実現を目標に掲げており、2030年には90万件の実現を目指す。