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独Volocopter、パリ五輪にあわせて電動垂直離発着機「Velocity」の運航開始を計画

独ベンチャーのVolocopter(電動垂直離発着機開発・製造)は、パリ空港運営ADPとの提携の一環として、来年の五輪開催に合わせてパリで世界初の「空飛ぶタクシー」サービスを導入することを計画している。これに向けてVolocopterでは、自社で開発した電動垂直離発着機「Velocity」の認証を来夏の五輪開幕までに取得することを目指している。「Velocity」は18基の電気モーターから推進力を得る垂直離発着機(VTOL)で、パイロットと乗客用の2座席を装備する。認証を取得できれば、五輪開催期間中に、セーヌ川のオーステルリッツ河畔とパリ北郊ルブルジェ空港間、イッシー・レ・ムリノーのヘリポートとベルサイユ近郊のサンシール士官学校間、ロワシー空港とルブルジェ空港間など5路線で就航する。認証を所得できなかった場合には、乗客は乗せずにデモ飛行を行う許可を取り付ける考え。
Volocopterでは今後テスト飛行を進め、パイロットの募集と研修を開始する意向で、近日中にパリに子会社を設置する。これと並行して、2億ユーロの調達を目指して公的投資銀行BPIフランスらとの交渉を進めている。調達した資金は、既存のブルッフザール(バーデン=ビュルテンベルク州カールスルーエ近郊)工場での製造加速とフランスでの工場新設にあてる。フランスの工場では、ブルッフザール工場同様に年間50機の製造を予定する。仏の3つの地域圏が工場誘致に関心を表明している。
Volocopterの創業者であるホーク氏は、エアバス・ディフェンス&スペース(エアバスの防衛機器・宇宙機部門)の前CEO(2016-2021年)。同氏は、独仏協力をベースとした国際展開に意欲を示しており、将来的には米国とアジアにも組立工場を設立する意向だ。Volocopterはすでに「Velocity」の展開を希望する世界40都市と了解覚書(MoU)を締結。また、米Bristow社からは「Velocity」2機を受注し、78機のオプションも確保した。パリ五輪での就航に成功した暁には、2024年中にローマで、2025年に大阪とサウジアラビアのネオムで運航を開始する予定。さらに2025-26年からは4人乗りのVTOL開発を開始する。

KSM News and Research