仏政府とイルドフランス地域圏(パリ首都圏)は9月26日、公共交通機関の財源に関する多年次合意を結んだ。2024-31年を対象とする合意を結び、財源の安定化を図った。合意には、次期大統領選が行われる2027年に再検討を行う旨も盛り込まれている。
合意には、企業を対象とする公共交通拠出金の増額が盛り込まれた。0.25ポイントの引き上げが対象期間を通じてなされる。現金給与総額の3.2%(パリ市内の場合)相当が徴収される。収入増は年間で3億8000万ユーロに相当する。さらに、イルドフランス地域圏は宿泊税の増税も実施。パリ市内の3つ星ホテルの場合で、宿泊税は1泊・1人当たりで1.9ユーロから5.7ユーロへと大幅に引き上げられる。年間で2億ユーロの増収が見込まれる。他方、関係する自治体(地域圏、県、パリ市)は、向こう5年間について、公共交通関連の予算を「インフレ率+2」%増額することを約束。その後は2031年までインフレ率並みの増額を実施する。これは、この予算の51%に貢献するイルドフランス地域圏では、5年間で4億6000万ユーロの拠出増に相当する。
パリ首都圏の公共交通機関の定期券Navigoの料金は、2024年年頭より月額86.3ユーロに引き上げられる。現在の84.1ユーロからインフレ率並み(2024年通年インフレ率は2.6%の見込み)の引き上げが実施される。引き上げ幅は2023年に比べるとわずかに小さくなる。