マクロン大統領は25日、「エコロジー企画評議会」を招集して、気候変動等の対策プランについて協議した。会合後に基本方針と一連の施策について説明した。
大統領は、2期目の任期の目玉の一つとして、首相府下に「エコロジー企画局(SGPE)」を設置し、首相の指揮の下でプラン策定を進めさせていた。今回、広く関連閣僚らを集めた「エコロジー企画評議会」の会合を開き、具体的な取り組みの起点とした。
大統領は会合後に、気候変動の現実を見据えて、国としてしかるべき対策を主導すると宣言。同時に、「アクセス可能で公正な」エコロジーの理念を打ち出し、低所得層への援助を通じて、万人が気候変動対策に貢献できるようにすると約束。気候変動対策が市民と景観を守るものであることも強調した。
大統領は、具体的なプランの内容については、10月に生物多様性戦略を、12月に気候変動対応プランを公表するとして、詳細な内容には踏み込まず、発表済みのものを含めたいくつかの措置を説明するにとどめた。その中には、エコカー購入奨励金制度の見直し(生産段階の二酸化炭素発生量などを加味)、国内のバッテリー製造工場4ヵ所の整備、国内のヒートポンプ製造部門の整備などが含まれる。ガス焚きボイラは新設禁止対象から外し、ヒートポンプ設置を奨励する制度を整える方針も示した。国内の地下資源(コバルト、リチウム、天然水素など)の洗い出しと活用を通じた自立性の強化の展望を示し、また、石炭焚き発電所をバイオマス焚きに転換する計画も再確認した。大統領はさらに、電力料金の統制権を取り戻すとも言明した。モビリティ関連では、RER(郊外連絡急行列車)を13都市に整備する計画を再確認し、鉄道インフラ関連予算として7億ユーロを確保すると説明した。EVを月額100ユーロでリースするサービスの開始も予告した。